インスタントラーメン、インスタントスープ

2013年10月2週号に掲載したコラムです。

 世の中にはインスタント食品が溢れている。カップめんにしろ、カップスープにしろ、概ね添加物が多いので、普段は食べないようにしている。でも、どうしても使わざるを得ない場面が私にもある。それはキャンプの時。我が家の子どもは都会っ子。田舎で育った私と主人は、子どもを自然の中に連れ出したくて仕方がない。年2〜3回、山や海や湖に連れ出しテント生活をする。毎回食事の準備に時間をかけられればいいのだが、釣りだの山登りだのに時間をかければ、おのずと料理にかけられる時間は減る。初めから分かっている時は、カレーと炊いたご飯をタッパーに入れて持って行くのだが、全て持って行くというわけにもいかず、どうしてもインスタント物を持参してしまう。また、春・秋のキャンプは予想外に寒いことがある。名古屋は暖かくても、現地の気候は半月早かったり遅かったりして、寒くて寒くて仕方ない時がある。そんな時私達を救ってくれるのが、インスタントのラーメンであったり、スープであったり、コーヒーであったりする。お湯を注ぐだけで体の中から温めてくれる優れものだ。
 いつも思うのだが、キャンプの時の食事と災害時の食事は似ているのだろうと思う。幸いにも災害にあったことがないので、想像でしか語れないが、温かい食べ物が欲しい、早く食べたい、できたら簡単に調理したいというのは同じだろうと思う。3.11の震災の時も、ストックがあったならばインスタント物は活躍したことだろう。
 今回、名古屋生活クラブでノンカップのラーメンやスープの取り扱いが増えた事は、私にとってはとてもありがたいことだ。今まで、添加物は嫌だと思っていても、添加物いっぱいのものしか手に入らないから仕方なくスーパーで購入していたが、これで安心してキャンプや災害時のストックとして購入できる。
うちの長男は、中学に入ってからどうしてもお腹がすくらしく、自分でカップラーメンを買ってくるようになった。あんなに気を付けて育ててきたのに…。制限してきた反動かもしれない。今まで私は「やめなさい」と言い続け、息子はこっそり買い続ける、の繰り返しだったが、今回取り扱ってくれたことで、「これならお母さんも許可できる」と差し出せるようになった。おかげで息子は隠れて買ってくることはなくなり、お互いいい妥協点を見いだせた感じだ。
 自然の食品を丸ごと食べることを勧めている名古屋生活クラブとしては、お手軽商品の取り扱いを即決したわけではないだろう。私も決していいと思っているわけではなく、その通りだと思う。インスタント食品はインスタントであって自然ではない。あくまでお手軽食品で、工業製品だ。でも、どうしても使いたい場面がある以上、安全なものを探して扱ってもらえるのは本当にありがたい。
 私は、インスタント食品を摂って栄養うんぬん言ってはいけない、と思っている。インスタント食品はたとえば調理時間短縮であったり、温かさであったり、手軽さであったり、満腹感であったり、おいしさであったり、栄養以外の何かを満たすものである。そのことを十分わかった上で、添加物の少ないものを、生活に少しだけ取り入れる程度にすれば、健康には問題ないと思っている。それ以上の使い方はやめた方がいい。体を壊す原因になる。
 
 
稲川

お金には責任がある

2013年10月2週号に掲載したコラムです。

 この歳になってようやく気付いたことがある。「お金には責任がある」と。
今まであまり考えずに消費してきた。必要なもの、欲しいものを深く考えずに買ってきた。「安い」が基準だったこともある。コーヒーの価格について知ったことがきっかけで、「自分が使うお金には責任がある」と思うようになった。日本で手に入るコーヒーの生産者に支払われる価格は、我々が支払う価格のわずが1000分の1。300円ならわずか0.3円。これにより、生産者たちの間で飢えや貧困が広がり、子どもはもちろん大人までも栄養失調になったり、子どもは当然学校に行けず、貧困の連鎖から抜け出せなくなっていたり、コーヒー栽培では食べていけないので、高く売れる麻薬植物である大麻やチャットの栽培に手を出す農民が多いらしい。コーヒー栽培の土地は非常に痩せていて、野菜などを作るには適しておらず、コーヒーか麻薬くらいしかできないから、麻薬に手を出すのも無理からぬことのようだ。 
コーヒー大好きの私にとっては、すごくショックだった。私がコーヒーを買えば買うほど、貧困に加担し、麻薬が広まることに加担しているなんて…。コーヒーが気になり始めると、他のものはどうかと気になる。世界の事じゃなくても、日本の中でもあるよな〜と思った。
輸入野菜や果物を買えば、海外の国が潤い、日本の農業を衰退させる事になる。なぜ、輸入野菜が安いかというと、補助金という税金が投入されているからだと知る。補助金を投入できない発展途上国は農業が衰退し、えらいことになっていると知った。
安い洋服はなぜ安い?海外で安い賃金で作らせているためで、安い洋服が売れれば売れるほど、日本の服飾業界は衰退して行く。日本の衣類の自給率はほぼゼロ%らしいことも知った。確か昔は生糸産業が盛んだったはず。小学生の時「ああ野麦峠」を見たから間違いないだろう。衣類の原料は輸入ばかり?
添加物の多い加工品を買えば、添加物なしの『本物』を作っている『本物』の生産者を苦しめることになる。添加物を支持したことにもなるし、健康にも影響を及ぼす。
農薬を使った農産物を買えば、有機農産物のシェアを狭める。農薬を応援したことにもなり、農薬の使用量は減らせなくなる。土は弱るし、水は汚すし、次世代の健康にも環境にも影響を及ぼす。これは合成洗剤にも言える。
そう考えて行くと、お金を使うことに慎重にならざるを得なくなった。試しに、今まで高いと思って買ったことのなかったオーガニックコーヒーとフェアトレードの服を買ってみた。コーヒーの味にもちろん差はなかったし、服は化学繊維でなく100%自然素材のため、着心地がよく気に入った。そして何より誰にも迷惑をかけてない気がして、自分の心が安心する。今まで高いと思っていたけれど、トータル考えるとそうでもないのかもと思う。何より頑張っている人を応援できるのがいい。お洒落じゃないという人もいるかもしれないが、そうでもない。結構すてきなものがある。
お金をどう使うかは個人の勝手だが、私はやっぱり自分のお金は有効に使いたい。環境や世の中を悪くするものではなく、その反対の世の中を良くするものに投資したい。自分の家の家計のことだけ考えれば、安い方がいいが、そんなちっちゃいことで判断してはいけない気がした。全部は無理でもできることだけでいい。いい加減じゃなく、どっちでもいいじゃなく、「これがいい」と選びたい。まっとうなものにはまっとうなお金を払いたい。まだ、入口に立ったばかりでよくわからないけれど、日本の中でも、『まっとうな人がまっとうにお金をもらえない不公平』が、きっとあるに違いない。
 
稲川

COWCOWだより 16

COWCOWだより 15

ホタルのすむ水辺

2013年9月2週号に掲載したコラムです。

 先日、知り合いの有機農家さんのお宅付近にホタルがいっぱい出ると聞いたので、友人たちと一緒に見に行った。場所は愛知県新城市。山の奥の方にそのお宅はあるのだが、夜真っ暗になってからでは、外灯もなく行きつけなくなる可能性があるので、明るいうちにお邪魔した。
 まだ、ホタル出現までには時間があったので、田んぼや沢の生き物を観察させてもらった。水の中にはアマガエル、シュレーゲルアオガエル、ヒキガエル、トノサマガエル、おたまじゃくし、イモリ、沢ガニ、めだか、どじょうなど水中生物がいっぱいいて、思わず童心に返って、つかまえて遊んでしまった。私が育った所にもあの当時は田んぼやちょっとした川があって、カエルもいっぱいいて、カエルの卵を踏んでしまったり、田んぼに落っこちたりして、下半身泥だらけになって遊んだ楽しかった記憶もよみがえってきた。うちの子どもはそんな経験がないから、私がつかまえる姿をみて、「すごい」と言い、4歳と10歳の息子はこわごわ手を出し、最後には大はしゃぎ。14歳の中学生の息子は、「ノー」と言って手も出さない。小さいころからキャンプに連れて行ったりしたけれど、日々の生活で自然に触れていないから、年数回の経験ではダメなんだな〜と思う。
こんな素敵な遊びをさせてもらったあと、近所の川に出かけた。ゲンジボタルの食べ物は川に住むカワニナ。カワニナは川の石に付く藻を食べるそうだ。藻は太陽の光がない所では育たず、沢のような小川に太陽の光が届くようにするためには、人の手で草や木を刈る必要があり、ホタルはあくまで『里の生き物』で、自然と人間がうまく共存している所にしか生存できないと教えてもらった。新城でも農薬や川の護岸工事のため、一時期ホタルが減ったそうだが、農薬の使用回数を1回にしようという運動をして地域で農薬量を減らしたところ、ホタルが戻ってきたそうだ。
農薬を使用した田んぼも見せてもらった。田植えの後で、稲はきれいに並んでいた。ヒルとアメンボしかいない。さっきの無農薬の田んぼとは明らかに『豊かさ』が違った。カエルの声がしていたので、カエルはどこかにいたと思うが、無農薬の田んぼのようにどこにでもいるという感じではなかった。最近は苗箱処理と言って、田植えする前の苗箱にネオニコチノイド処理して根から吸わせるので、その葉っぱを食べた虫が死んだり、根っこ付近にいる水中生物が死んだりするようだ。1回だけなのにこんなに違うものなのかと驚いた。ネオニコチノイド農薬は『みつばち』がいなくなるのが問題になっているけれど、それだけの問題ではない。『トンボ』もいなくなっているそうだし、明らかに『水中生物』もいなくなっている。みつばちがいなくなれば、蜂蜜も採れないけれど、受粉もできないから、実もできないし、種ができず植物も育たない。水中生物がいなくなれば上位の捕食動物の餌がなくなるということだから、食物連鎖に影響を及ぼし、結局人間に返ってくる。人間は生き物を排除するような活動をいたる所でしている。いずれは人間に返ってくるという大事な事に気付いていないから、勝手なことばかりできるのだろうか。
周りが真っ暗になってきた頃、ホタルが飛び始めた。きれいに護岸工事された所にはホタルは少なく、草がある所に多くいた。暗闇にぴかっと光るから、きれいで、時間を忘れて見とれてしまった。ホタルが生きられる環境がいつまでも続いたらいいなあと思った。そばをゆっくり飛んでくるホタルもいるし、葉っぱにも止まるので、手で簡単に捕まえられた。手の中でぴかっ、ぴかっと光るホタルに子どもたちは感動。いい思い出ができた。大人になってもこの経験・感覚は覚えていて欲しい。この感覚が生きて行く上で重要なバランスとなって、間違った方向に行きそうになっても、戻って来られる気がするから。  
 
稲川

「遺伝子診断・・・本当にとるの?」

2013年8月5週号に掲載したコラムです。

アメリカの女優、アンジェリーナ・ジョリーが遺伝的にがんになりやすいから、という理由で乳房を切除した。まだ乳がんにもなっていない健康な乳房をだ。これに違和感をもった人は、どれほどいたのかは私にはわからないが、少なくとも私は強い違和感を持った。ここまでやるとは…いくらお金があるからと言っても馬鹿げていると思った。ところが、日本でもそれが始まるらしい。これには正直驚いた。がん専門医も、とうとうがん医療の限界を感じたのか…と。そして、これに対して問い合わせも多いらしい。

 
がん遺伝子を持っていたとしても、あくまで確率が高いというだけで、絶対にがんになるわけではない。アンジェリーナ・ジョリーの場合87%の確立だったそうだが、13%の方に入ればいいんじゃないの?と思ったのは私だけだろうか。がんになる原因はいろいろあって、強烈な発がん物質と接する環境にいれば話は別だが、通常一つの原因だけでがんになるわけではない。タバコは間違いなく肺がんの危険因子で、タバコを吸えばがんになる確率が2倍になると言われているけれど、吸ってがんになる人もいれば、吸ってもがんにならない人もいる。何が違うのかは分からないけれど、ストレスの多い生活も一因のようだし、食習慣も一因のようだ。高脂肪・高蛋白の食事はがんを促進するし、油の質によってもがんを促進することは分かっている。まずそういう点を改めて、自分で努力するというのが先ではないだろうか。いくらがんになる可能性の高い臓器を取り去ったところで、おいしいものばかりを食べるいい加減な生活を続けていれば、別のがんにかかるってことだってあり得る。現に遺伝子変異がないのにがんになる人の方が圧倒的に多い。そう考えると、安心のために予防的に臓器を切り取るなんて、ばかばかしく思えてくる。自費で勝手にやるならまだしも、今後保健適応になって、みんなの医療費を使う事だけはやめてほしい。遺伝子検査が有用な人もいるので、否定する気はないが、こういう使い方はどうかと思う。がんになる確率が高いと聞けば、動揺するのは当たり前。動揺せずに正しい方策がとれる人はいいのかもしれないが、迷うようなら検査などすべきではないと思う。
 
まずは、命を粗末にするような食事をやめて、健康になれる食事をすればいい。そもそも、日本人と西洋人では持っている遺伝子が違い、腸の長さも違うので、その違いを理解する必要がある。日本人が西洋人のような食生活をすれば、間違いなく病気になる。がんではないかもしれないが、糖尿病や高脂血症などのいわゆる生活習慣病になる。がんも生活習慣病の一つとされているので、この延長上にあることは間違いない。私は『日本人にはやっぱり和食が合っている』と思う。ご飯・味噌汁・野菜・海藻・きのこ・魚をきちんと食べることが一番簡単な食生活改善だと思う。味噌汁に入れてしまえば、野菜・きのこ・海藻は摂れてしまう。味噌汁が面倒な時は、豆腐・納豆を食べればいい。野菜が手に入らなければ、漬物でいい。やってみれば、超簡単。いつでも出せるように常備しておくだけのことだ。
食事に気を配り、適度な運動をして、しっかり休養をとるような努力をした上で、がんになってしまったならば、それは自分の運命と受け入れるより仕方がない。今回のことは、自分の運命を受け入れられないという事が、根本にあるように思えて仕方がない。受け入れられないから、遺伝子検査して、最先端の科学で何とか自分の運命を変えようとジタバタしているように思えてならない。
 
そして、農薬の問題とも似ている気がする。病気になってもいないのに、病気になるかもしれないと恐れて農薬をまく。土壌に混ぜ込む。土を丈夫にする方が先じゃない?と思うのは私だけだろうか。
 
稲川
 

COWCOWだより 14

COWCOWだより 13

COWCOWだより 11

COWCOWだより 10



名古屋生活クラブ

  〒452-0802 名古屋市西区比良2-120 フリーダイアル:0120-72-0251
TEL:052-501-0251 FAX:052-503-0967 e-mail: nsc@athena.ocn.ne.jp >>会社概要はコチラ