低線量被曝後の発ガンリスク 

 低線量被曝後の発ガンリスク
◆ 論文で紹介します(翻訳:伊澤) ◆    

Risk of cancer after low doses of ionizing radiation.: retrospective cohort study in 15 countries.
低線量被曝後の発ガンリスク(15カ国でのコホート研究)

E.Cardis 国際ガン研究機関 放射線グループ長
International Agency for Research on Cancer

放射線防御の研究は、日本の原爆被曝の生存者の研究に基づいているが、それは、高い線量を被曝した人達が中心でした。

比較的低い線量が長期間に及んだり、何度にも及んだりする人達(医療診断を受ける患者、放射線従事労働者など)への影響が現在の関心事です。

低線量長期被曝の影響は、核産業労働者のいくつかのグループで評価されてきましたが、サンプル数が少なく、正確なものではありませんでした。

グループを組み合わせることは、分析を正確にしますが、これらの分析は、可能性の幅が広く、低線量でのリスクの低下から高すぎるリスクまでの評価でした。

国際的な協同研究(15カ国の核産業労働者の発ガンリスク)が行われ、長期間の低線量被曝の影響を調べました。

40万7391人の労働者の外部被曝量を調べました。15カ国は、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フィンランド、フランス、ハンガリー、日本、韓国、リトアニア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ

結果

労働者のガンの1〜2%は放射線による。平均集積線量は1人当たり19.4mSv(1Sv=100rem)(日本人1人が1年刊に1mSv自然界から被曝するので、その19.4倍)。

90%の労働者は、50mSv以下で、500mSvを越えた労働者は0.1%以下。

白血病を除く、すべてのガンのリスクは1Svに付き0.97人のガンという計算になる。(100ミリシーベルトで1.1倍)

白血病は1.93(1Svに付き1.93人)(100ミリシーベルトで1.l9倍)

ICRP(International Commission on Radiological Protection)国際放射線防御委員会の現在の基準

労働者 100mSv以下(5年間以上でどの1年も50mSvを越えないこと)
   一般人 1mSv(1年間)

ですが、100mSvだと → 97%のガン死の増加(白血病を除くすべてのガン)
                  19%の白血病死の増加(慢性リンパ性白血病を除く)

この研究では5%以下の労働者が100mSvの被曝を受けている。なども考慮して、1〜2%のガン死が労働中の被曝によると結論づけられる。

解説

今回、IARC(国際ガン研究機関)のE.Cardisさんが15カ国の原発労働者、核従事者のデーターをまとめました。

原爆被爆者のデーターを比べて、白血病を除くすべてのガンでは、3倍位、白血病では2/3位の危険性という数字が出ました。これを現在の核従事者の被曝量で計算すると、1〜2%が労働中の被曝によるガン死の増加という結論になりました。

広島、長崎では、被爆者が高齢になるにつれ、ガンが多発しています。今回の研究は、10年間での追跡にすぎないので、更にリスクが上がる可能性があります。


名古屋生活クラブ

  〒452-0802 名古屋市西区比良2-120 フリーダイアル:0120-72-0251
TEL:052-501-0251 FAX:052-503-0967 e-mail: nsc@athena.ocn.ne.jp >>会社概要はコチラ