生産者あっての私たち

2014年9月2週号に掲載したコラムです。

 昔は、たとえば人参ならどれでも栄養価はだいたい同じだろうと思っていた。だって栄養成分表に値が載っているし…、それくらいにしか思っていなかった。栄養成分が多いか少ないかくらいにしか注目してなかった。
でもある時、ふっと食品の裏側を見たら、添加物がいっぱい。添加物は少ない方がいいとは思っていたが、凝視して一つ一つ見ていくと、なんでこんなに入っているの?この知らないカタカナ文字はなに?と疑問が湧いた。スーパーの棚を一つ一つ見て回ると、添加物の入ってない商品がほとんどない。今まで平気で買っていたくせに、急に怖くなった。スーパーでの買い物の時間が異常に長くなり、しまいには買うものがないと思うようになってしまった。知らないって恐ろしいと思った。
加工食品がこれなら、野菜はどうなのよ?農薬は?と思っている頃に、名古屋生活クラブに入会した。これでようやく安心して食べられるスタートラインに立った気がした。はじめた頃はスーパーを利用する感覚と変わらない感覚で、安心して買える便利な所という感じで利用していた。何回も繰り返し『たねまき』の情報を読んだり、勉強会に行くうちに、もしかして、私たちの健康は生産者に支えられている?生産者あっての私たちの健康じゃない?と思うようになった。ガン治療目的の栄養療法では、農薬などの使用で野菜の質が落ちているため、昔ほど成果が上がりにくくなっていると聞いたことがある。農薬を使わずに栽培した旬の野菜は、無理な方法で育てられた季節外れの野菜よりおいしいのは間違いないが、きっと栄養面でも上なのだろう。
 生産者の方は、よく「消費者あっての生産者だから」とおっしゃってくださる。でも、私は反対じゃないかと思っている。「良い生産者あっての私たち消費者であり、良い生産者あっての私たちの健康」だと思って、毎日感謝しながら食べている。
 スーパーに行けば、良い生産者がいるのかいないのかも分からない。何も書いてないということは、農薬は使ってあるのだろう。私は良い生産者とは、本物を適正価格で提供してくれる生産者だと思っている。本物とはごまかしのない、自然のことも消費者のことも考えて作られたものだと思う。私はそんな本物の生産者を応援したい、そこに投資したいと思っている。そうすることで、自分の健康も守れ、自然環境も守れ、嘘のない世の中が作れるならば、私はそうしたい。
何を選び、何を買い、何を食べるかはとっても奥が深い。昔は全くこんなことは考えてなかった。でも、多くの患者さんの苦悩や喜びを目の当たりにし、「人間の健康って何?」と考えるようになり、どうやら医学の力だけではいのちは守れそうにないと気付いた。
『自分の健康は自分で守る』ってことを真剣に考えたら、『食』に行きつき、最終的には農業・漁業・加工業などの『生産者』に行きついた。反対に考えると、農薬を使い無理な生産方法で作られた農産物や、添加物で水増しして作られる加工品では我々の健康は保障できない。だから、消費者が環境を思い、日本の農業や漁業を思い、生産者を思って買い物をすることは、結局自分の健康につながると思う。
「健全な生産者なくしては我々の健康はない」私はそう思っている。だからこそ、生産者の苦労を知って、どう応援すれば良い生産方法を続けてもらえるか、本物を作り続けてもらえるかを考えたいと思っている。
      
平成2510月    稲川


名古屋生活クラブ

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