遺伝子組み換え表示(GM表示)

2014年8月5週号に掲載したコラムです。

先日、「たねまき」に載っていた三重県・四日市酪農の「ふれあい牧場」に行ってみた。日曜日だったので結構人は多かったが、紹介のために壁に書かれた「非遺伝子組み換え飼料を使っています」の説明に足を止めてじっくり読む人はいなかった。
 考えてみれば、「遺伝子組み換え」「遺伝子組み換え不分別」「遺伝子組み換えでない」などの表示をする・しないの世の中になってしまったことはとても悲しいが、それ以上に関心がない人が多いのはもっと悲しい。
 農林水産省の遺伝子組み換えに関するホームページを見てみた。ものすごく分かりにくい。君たち分からせようとしてないね!と言いたくなるくらい分かりにくい。仕方がないから、遺伝子組み換え問題に取り組んでいる環境ジャーナリストの天笠啓祐氏の解説を見てみた。天笠氏によると、いま日本に流通している遺伝子組み換え作物は、主にトウモロコシ、大豆、ナタネ、綿実の4種で、他にばれいしょ、アルファルファ、てん菜、パパイアが少しある。加工品の原材料のほか、家畜の飼料や食用油に使われ、日本の場合、輸入作物として入ってくる。日本は食用油や加工品の多くにGM作物が使用され、家畜の多くにGMトウモロコシ、GM大豆が与えられ、それから得られる牛乳や卵や肉を人間は食べている。家畜飼料を含めると、GM作物の一人当たりの消費量は日本人が世界一というデーターもあるようだ。
日本のGM表示制度は加工度の低い豆腐、納豆、おから、みそ、きなこ、豆乳、コーンを使ったスナック菓子など、極めて限られた食品しか表示義務がなく、大半の食品に表示義務はない。大豆・トウモロコシ・なたねの加工食品である食用油・マヨネーズ・醤油などは加工度が高いという理由で表示義務はない。それに加え、食品中の上位3品目(重量比5%以上)の原材料だけの表示でいい。上位3品目でも重量比が5%未満ならGM原料が含まれていても「遺伝子組み換えでない」「遺伝子組み換え大豆不使用」という表示が可能なのだ。日本では家畜飼料やペットフードには何の表示義務もない。レストランなどの外食産業でも表示義務はない。それに比べ、ヨーロッパの制度は厳密で、0.9%の混入で表示しなくてはならない。もちろん家畜飼料・ペットフード・外食産業にも表示しなくてはならない。
こんなことを知っている消費者がどれだけいるだろうか?入っていても5%未満なら入っていないと表示されているかもしれないことを知っている人は、ごくわずかではないだろうか?
GM食品の人間の健康への害については、まだはっきりはしてないようだが、動物実験レベルではGM作物を摂取したラットにガンが多発したとか、肝臓や腎臓に異常が出たとかの報告があるようだ。GM作物を与えられた動物は変化してしまっているという研究者もいる。
GM作物は収穫量を高めることを目的として開発されたと言われているが、実際は収穫量は増えていないし、農家の収入も増えていないし、農薬の使用料も減っていないなどの報告もあるようだ。
ヨーロッパが規制しているのには、きっと何らかのことがあるに違いない。黒とはいえないまでもグレーだから規制しているのだろう。
日本の大豆の自給率はわずか6%。トウモロコシの自給率は0%(1%にも満たない)。大半が輸入品。それなのに、私たちが食べる牛乳や卵や肉を提供してくれる牛や豚や鶏の餌に、GM作物が使われているかどうかも知らされない。知らされないがゆえに消費者があまり関心がないから、規制も強化されないし、生産者も利益を上げるために、安い遺伝子組み換え飼料を使ってしまう。
やっぱり、きちんと知って、判断する。そして、いいと思えば買う。悪いと思えば買わない。消費者がするべきことをちゃんとしたら、世の中いろいろ変わってくるのかもしれない。  
平成259月執筆


名古屋生活クラブ

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