中洞牧場

2014年7月2週号に掲載したコラムです。

生活クラブからのお知らせに、中洞牧場がNHK「仕事ハッケン伝」に登場するという情報が載っていましたね。番組をご覧になりましたか?
 内容はこんな感じ。中洞牧場は日本ではめずらしい山地酪農(やまちらくのう)をしている牧場で、東京ドーム10個分、50haの山を切り開いて90頭の牛を昼夜放牧し、牛は自由に暮らしている。まるで「アルプスの少女ハイジ」の世界。親牛は子牛に乳を与えながら子牛をなめてかわいがり、子牛が親牛の後をついてまわる姿は人間と変わりない。親牛は子牛にこの草は食べていいとか、ここの崖は危険だとかを教えているそうだ。また、牛は急峻な山を上り下りするため、すごい脚力で走るスピードは速く、人間はついていけない。運動量もすごそうだった。従業員は自然の営みに寄り添うこと、牛と向き合い、牛と会話することを大切にしており、『子どものために親牛が作った大切な牛乳を人間が分けてもらっている』ということを大前提に、丁寧な仕事、丁寧なものづくりをしている。
 牧場長の中洞正さんはマンガ「美味しんぼ」にも登場した方で、お顔に人柄がにじみ出ている感じの方。その中洞さんが「間伐は山を守るためにとても大切な仕事。目の前のミルクは今のお金を稼ぐのに必要だけど、牛で日銭を稼ぎながら、50100年後の子孫に健全な山を残すためにする間伐は、儲からなくてもやらなくてはいけない大切な仕事」と話していた。間伐をして木を間引くことにより、山林に日光が差し込み、地面には牛が好む草が生える。牛はそれを食べ、糞は肥料となり大地を肥やす。人と牛が協力し合う事によって生み出される『自然の循環』を実践している牧場だとわかった。
 
私は残念ながら中洞牧場の牛乳を飲んだことがない。「たねまき」に載っているので名前だけは知っていたけれど、ちょっと高いな〜と思って買ったことがなかった。でも、映像で見て、高いには高いだけの理由がちゃんと存在するんだ、むしろそんなに高くないのではないか?と思った。
観光牧場程度しか見学したことはないが、それとはスケールが全く違う。狭い牛舎でトウモロコシ主体の混合飼料を食べさせられ、工業製品の一部とみなされる哀れな牛とも全然違う。なんと幸せな牛たちだろうか。あれだけ草をはんでいる牛の牛乳は、さっぱりしてそうな気がする。番組の中でも今まで飲んだ牛乳とは味・香りが全く違う、とってもおいしいとコメントしていた。草が原料だから乳脂肪の質が良く、健康度においても格段に上だろう。
そして、中洞さんの言葉が気になる。「100年後の子孫のために今すべきことをする」という高い志を応援したくなった。山を守ることを実践している人たちを『買う』という形で応援するのも、都会に住む私たちができることではないだろうか。
 話は変わるが、この牧場が実践している『放牧』も『牛と向き合い牛と会話し牛の気持ちを察する』というのも、効率優先の世の中では、ムダとみなされるかもしれない。でも、こういうムダと思えることが結構大事かもしれない。現代人の多くが自然から離れ、ピリピリした中でお金を稼いでいる。それは致し方ないが、『子どもと向き合い子どもの気持ちを察する』『飼っている動物の気持ちを察する』『育てている植物と会話する』など、手間暇かけて相手を思い癒されることは、忙しく働く現代人には大切なことかもしれない。それが、間違った感覚を正し、やさしい世の中を作ることにつながる気がする。ストレスが原因の多くの病気、たとえばうつ病やガンや高血圧などを予防する効果があると私は思う。    
平成258
 



名古屋生活クラブ

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