レイチェル・カーソンの警鐘

2014年4月5週号に掲載したコラムです。 

今回はレーチェル・カーソンの言葉を紹介しようと思う。レーチェル・カーソンについてはご存知の方も多いと思うが、世界で初めて化学物質の危険性を告発した海洋生物学者で作家でもある女性。1962年に出版された「沈黙の春」では、『殺虫剤などの「合成化学物質」の大量使用が生態系を乱し、生物環境の大規模な破壊をもたらし、それは人間の生命にも関わることになる』と警告した。この本によって世界は環境問題に眼を開かされたと言われている。
 
 「沈黙の春」の最終章「べつの道」にこんな文章が出ている。
『私たちはいまや分かれ道にいる。だがどちらの道を選ぶべきか、今更迷うまでもない。長い間旅してきた道は素晴らしいハイウェイですごいスピードに酔うこともできるが、私たちはだまされているのだ。その行き着く先はわざわいであり破滅だ。もう一つの道は、あまり人も行かぬが、この道を行くときにこそ、私たちは自分たちのすみ家の安全を守れる。そして、それはまた、私たちが身の安全を守ろうと思うならば、最後の唯一のチャンスといえよう。とにかく、私たちはどちらの道をとるか、決めなければならない。長いあいだ我慢したあげく、とにかく知る権利がみんなにもあることを認めさせ、人類が意味のないおそるべき危険にのりだしていることが分かったからには、一刻もぐずぐずすべきではない。毒のある化学薬品をいたるところにまかなければならない、などという人たちの言葉に耳をかしてはいけない。目を見開き、どういうべつの道があるのか、を探さなければならない。化学薬品による防除にかわる方法は、実にいろいろあり、どれも実際に利用できる。あるものは、すでにすばらしい効果をあげ…』と続く。
 
残念ながらカーソンは出版から2年後の1964年に、ガンで他界してしまうのだが、彼女の遺志を引き継いだ多くの人々によって化学物質は規制の対象となった。それでも、まだ科学物質は生みだされ、なくなることはない。
「化学薬品」のところを、例えば「農薬」に、「添加物」に、「合成洗剤」に、「原発」に置き換えれば、よりわかりやすく、いろいろなことに共通する貴重な指摘に思える。
カーソンが警鐘を鳴らしてから60年がたつ。少しずつ良い方向に向かっている面もあるが、いまだによい方向には向かっていない、むしろ反対方向に突き進んでいるようにみえるものもある。なぜ人間はこんなにも愚かなのか、一度破滅するしかないのかもしれないと思ってしまうが、迷惑するのは未来の子孫たち。やっぱり、一人一人が今深く考え、消費行動を変えていくのが一番手っ取り早いように思う。企業も売れるから作るのであって、消費者が買わなければ作らないだろう。企業の人たちも、自分の行動によって自分の子孫を破滅に追い込みたいとは思っていないはずだ。ただ、目先の利益に惑わされているだけだろう。
私たち消費者の『いい意味での不買行動』こそが、世の中を変えていく気がする。そのためには、まず相手を知ろう。何が良くって、何が悪いのか。それを正確に知る。全てはそこから始まる気がする。                       平成258
 


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