お金には責任がある

2013年10月2週号に掲載したコラムです。

 この歳になってようやく気付いたことがある。「お金には責任がある」と。
今まであまり考えずに消費してきた。必要なもの、欲しいものを深く考えずに買ってきた。「安い」が基準だったこともある。コーヒーの価格について知ったことがきっかけで、「自分が使うお金には責任がある」と思うようになった。日本で手に入るコーヒーの生産者に支払われる価格は、我々が支払う価格のわずが1000分の1。300円ならわずか0.3円。これにより、生産者たちの間で飢えや貧困が広がり、子どもはもちろん大人までも栄養失調になったり、子どもは当然学校に行けず、貧困の連鎖から抜け出せなくなっていたり、コーヒー栽培では食べていけないので、高く売れる麻薬植物である大麻やチャットの栽培に手を出す農民が多いらしい。コーヒー栽培の土地は非常に痩せていて、野菜などを作るには適しておらず、コーヒーか麻薬くらいしかできないから、麻薬に手を出すのも無理からぬことのようだ。 
コーヒー大好きの私にとっては、すごくショックだった。私がコーヒーを買えば買うほど、貧困に加担し、麻薬が広まることに加担しているなんて…。コーヒーが気になり始めると、他のものはどうかと気になる。世界の事じゃなくても、日本の中でもあるよな〜と思った。
輸入野菜や果物を買えば、海外の国が潤い、日本の農業を衰退させる事になる。なぜ、輸入野菜が安いかというと、補助金という税金が投入されているからだと知る。補助金を投入できない発展途上国は農業が衰退し、えらいことになっていると知った。
安い洋服はなぜ安い?海外で安い賃金で作らせているためで、安い洋服が売れれば売れるほど、日本の服飾業界は衰退して行く。日本の衣類の自給率はほぼゼロ%らしいことも知った。確か昔は生糸産業が盛んだったはず。小学生の時「ああ野麦峠」を見たから間違いないだろう。衣類の原料は輸入ばかり?
添加物の多い加工品を買えば、添加物なしの『本物』を作っている『本物』の生産者を苦しめることになる。添加物を支持したことにもなるし、健康にも影響を及ぼす。
農薬を使った農産物を買えば、有機農産物のシェアを狭める。農薬を応援したことにもなり、農薬の使用量は減らせなくなる。土は弱るし、水は汚すし、次世代の健康にも環境にも影響を及ぼす。これは合成洗剤にも言える。
そう考えて行くと、お金を使うことに慎重にならざるを得なくなった。試しに、今まで高いと思って買ったことのなかったオーガニックコーヒーとフェアトレードの服を買ってみた。コーヒーの味にもちろん差はなかったし、服は化学繊維でなく100%自然素材のため、着心地がよく気に入った。そして何より誰にも迷惑をかけてない気がして、自分の心が安心する。今まで高いと思っていたけれど、トータル考えるとそうでもないのかもと思う。何より頑張っている人を応援できるのがいい。お洒落じゃないという人もいるかもしれないが、そうでもない。結構すてきなものがある。
お金をどう使うかは個人の勝手だが、私はやっぱり自分のお金は有効に使いたい。環境や世の中を悪くするものではなく、その反対の世の中を良くするものに投資したい。自分の家の家計のことだけ考えれば、安い方がいいが、そんなちっちゃいことで判断してはいけない気がした。全部は無理でもできることだけでいい。いい加減じゃなく、どっちでもいいじゃなく、「これがいい」と選びたい。まっとうなものにはまっとうなお金を払いたい。まだ、入口に立ったばかりでよくわからないけれど、日本の中でも、『まっとうな人がまっとうにお金をもらえない不公平』が、きっとあるに違いない。
 
稲川


名古屋生活クラブ

  〒452-0802 名古屋市西区比良2-120 フリーダイアル:0120-72-0251
TEL:052-501-0251 FAX:052-503-0967 e-mail: nsc@athena.ocn.ne.jp >>会社概要はコチラ