野菜のおいしさ

この間、名古屋生活クラブの生産者の方にお会いした時、「野菜を食べておいしかった思い出はある?」と聞かれた。確かにある。夏に食べた生活クラブのトマトはとっても甘くておいしくて、スーパーのトマトより数段上だったとか、どこかのホテルで食べた蒸し野菜はおいしかったとか、あるにはあるけど、「誰の」とか、「どこの」とかまで覚えていなかった。私はあまり野菜に注目していなかったようだ。
 ある映画のワンシーンで、シェフが野菜をおいしく料理するために、畑に行って採れたての野菜の味をまず確かめ、蒸して確かめ、その上で野菜本来の味を損なわないよう味を決めるというのがあった。急にそれを思い出して、私もやってみた。配達されたほうれん草を生で食べてみた。土の香りがプーンとするけど、生でも甘くていける。次はさっと蒸して食べてみた。これが「えっ」と思うほどおいしい。何と表現していいか分からない深みのある味なのだが、葉の部分は体にしみわたるようなみずみずしさで甘い。根元の赤い部分はお菓子にもできそうなほど甘い。えぐみも苦味もない。今度は小松菜。ほうれん草ほどの甘味はないが、サッパリしていて、さっと蒸してお醤油ひとたらししただけで、立派な小鉢ものになる。こちらもえぐみも苦味もない。最後はチンゲン菜。これは生がメチャおいしい。チンゲン菜の生なんて食べたこともなかったが、こんなにおいしいとは思ってもみなかった。どれもいくらでも食べられる。その上、無農薬なので、農薬を落とすためにゆでこぼす必要がなく、生でも、蒸しただけでも食べられる幸せもしみじみと味わった。
野菜って味を付けなくてもこんなにおいしいものかと改めて思った。名古屋生活クラブの野菜は基本旬のものしかないので、旬であることも大きな理由だと思う。こんなにおいしいなら、料理の腕がなくても十分おいしいものが食べられる。素材の味に助けられて「おいしい」ものができて、「楽」できて、家族においしいと言ってもらえるなら、こんなにラッキーなことはない。その上、「健康度」も上がる。何と言ったって野菜だし、素材の味が十分あるからごく薄味で済む。高血圧対策にもなる。もっと言えば、調味料が少なくて済むし、光熱費もかからないから「経済的」。“いいことずくめ”じゃない! さすがシェフ。プロの知恵なのか、私がしてなかっただけなのか分からないが、今度から味を付ける前に素材の味を確かめる工程を入れてみようと思う。シェフのように更においしくなるような味付けが思い浮かぶかどうかが問題だけど(笑)。
野菜の味を詳しく分解すると、甘味、酸味、塩味、旨味、辛味、渋味、苦味、えぐ味があるそうだ。苦味とえぐみのもとは、植物に含まれる硝酸態窒素というものだそうだ。化学肥料を使ったものや未完熟堆肥を使ったものには硝酸態窒素が多く、えぐくて苦くて甘味などが消えてしまっておいしくないそうだ。こういうものは濃い味を付けてごまかすしかないのだろう。葉っぱの緑が濃すぎるから、スーパーのものでもある程度は判別がつくらしい。確かに、スーパーのほうれん草の色は生活クラブのものよりずっと濃い。この事実を知る前までは、濃い葉っぱの方が栄養価が高そうで、薄い色は元気がなく栄養も少ないのだろうと思っていたのだから、素人の考えとはいかに浅はかなのかが分かる。また、硝酸態窒素は体内で発がん性のあるニトロソアミンに変化したり、乳児の突然死(メトヘモグロビン血症)に関係しているとも言われ、完熟堆肥を使った作物が健康面からみてもいいことが分かる。そう思うと、私たちの健康は志の高い生産者、技術の高い生産者に支えられているとも言え、良いものを作ってくださる生産者の方に感謝したいと思った。
そんな生産者の方を応援するためにも、消費者にできることはいっぱい食べることかな。自分の舌を満足させるために、自分の健康のために、家計のために、環境のために、無農薬・無化学肥料の野菜をもっと食べよう!消費者にできることをやろう!そんなことまで考えた。農業って食べることって奥深い。


名古屋生活クラブ

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