放射能について学んで思うこと

 福島第1原発事故が起こった当時は、驚愕し、ただただ不安だった。何が起こったのかを理解するだけでも大変だったし、その上人間の生命を脅かすかもしれないものが降り注いだとなれば、一人の人間としても当然だが、母親として怒りがわいてきた。東電に対しても、政府に対しても、知らなかったとはいえ反対してこなかった自分に対しても。子どもの未来を汚してしまって、本当に申し訳ないと思った。
 うちには3人の子どもがおり、当時一番下が2才。小さい子どもほど影響が大きいと聞けば、他の母親と同様、心の中は平穏ではなくなり、何を食べさせていいのやらわからなくなってしまった。名古屋にいる私でもこれほど動揺するのに、福島の母たちはどんな思いでいるのかと思うと本当に腹立たしかった。私はメディアが言う事ではなく真実が知りたいと思い、原発の正体を知るために各地の勉強会や講演会に毎週のように出かけていった。怒りが原動力になっていたのだと思う。その間文句も言わず出かけさせてくれた家族には感謝している。
まず、初歩的な放射能とは何か、数字の持つ意味は何かに始まり、広島・長崎の原爆について、地震と原発について、核廃棄物の行方についてなど、講演会・本・新聞・原発特集番組・映画などから学んだ。
 幸い、3月以降、再び爆発することもなく、とりあえず落ち着いていることもあるのだが、10ヶ月の勉強の末、もう怖がっていても仕方がないんだと思うようになった。日本中、たぶん一人も放射性物質を取り込んでいない人はいないと思う。いくら気をつけていても外食すれば入ってくるし、普通にスーパーで買ったものを食べれば入ってくる。
 では、どうすればいいか。仙人のような生活はできないのでどこかで線引きして、割り切って生活するしかないと思った。私は極力信頼できる所から食品を買うようにした。この時ばかりは、名古屋生活クラブの会員で本当に本当に良かったと思った。今までスーパーと生活クラブと半々で購入していたのだが、今はほとんど生活クラブから購入している。家以外の給食や買い食いや外食の質については管理できない。これらに関しては、私の手の及ぶ範囲ではないので、もうよしとするしかない。それより友達と笑って楽しく食べたり、楽しく外食した方が気にするよりずっといいと思った。
 事故から1年以上過ぎ、政府の基準値も下がり、細々とだが勉強を続けていてわかったことは・・・
 事故から1年以上過ぎ、政府の基準値も下がり、細々とだが勉強を続けていてわかったことは、今回の事故は不幸中の幸いというべきか、ストロンチウムの放出量は極微量だったということ。セシウムの飛散量は多いが、体の中で半分になるまでの日数は小さい子ほど早く、うちの3人の子の場合38日から70日らしく、2年もすれば体から出て行くということ注1。低線量被ばくついては正直わかっていないことが多いらしいということ。政府の言う食品100Bq/kg以下については、原発反対の立場をとる学者の中にもまあこの線が妥当とする人もいて、要は考え方の違いで本当のことは証明されていないらしいこと。政府の言う100Bq/kgが妥当かどうかは分からないが、最高でもその1/10の10Bq以下で管理してくれている名古屋生活クラブから購入して食べる分には全く問題がないのではないかと思う。限りなくゼロに近いことが望ましいに決まっているけれど、そんなことはありえないことも知った。地球には太陽からの自然放射能も降り注いでいるし、核実験由来の放射性物質が未だに残っている。むしろ放射性物質ゼロや全品検査をうたっている業者の方が怪しいのも知った。検査には時間もお金もかかり、どんな検査をしているのかわかったものではないらしい。
 安心する情報ももらってきた。私たちの体には放射線に対する防御機能が備わっているということ。太古の昔から、宇宙から降り注ぐ紫外線と放射線は恐ろしいものだったらしい。生物は長い時間をかけてこれらから身を守る術を身につけてきた。今生き残っている生物はほぼその術をもっていると言っていいらしい注2
体に入ってしまった放射性物質は自然のなりゆきに任せるしかないのだろうと思う。それよりは体に入ってしまった放射性物質の影響を最小限に抑えられるように、自分の免疫力を高める生活を積極的に行うべきだと思っている注3。現に、原爆で影響が出た人と出ずに長生きしている人がいるのだから、昔からよいと言われることをすればいいと思う。ご飯・味噌汁・野菜・果物・魚をきちんと食べる、早寝早起きをする、適度な運動をする、よくかむ、いきいき生きる。私はこの5つを目標にしている。
 1年10ヶ月経ち、消費者としてできることは何かを考えると、福島のものだから、東北のものだからと毛嫌いするのはやめようと思っている。あの事故は日本人全員が背負わなければいけないもので、ひとそれぞれレベルは違ってもどこかで受け入れなくてはいけないものだと思う。私は、名古屋生活クラブのものであれば、検出されていませんという表示がされている、もしくは検出されていても食べる頻度が少ないので問題ないとされていれば積極的に購入している。なにより、東北のものはおいしい。土地が肥沃なのか水がいいのか寒暖の差が大きいのがいいのか、それとも全ての相乗効果なのか、何が良くておいしいのかはわからないが、本当においしいと思う。放射性物質うんぬんを上回るおいしさがあるので、まだ購入されていない方にはぜひお勧めしたい。

人間の基本は毎日の食。私は衣食住のうち、食は衣・住より格が上だと思っている。衣・住は体の外側のものだが、食は体の中に取り入れるものだから。確かに放射性物質は怖いが、食を形成するものはそれだけではない。何をどのくらい食べるかという健康上の問題もあるし、農薬や添加物の問題もある。そして誰とどのように食べるかという心の問題もある。放射性物質だけにとらわれるのではなく、全体を考えて、家族にとって幸せと思える食べ方をしたいと思っている。
 
 
2013年2月3週、4週掲載

注1:年齢によって差は有りますが、同じ量の放射線を浴びた場合には、子供の方がずっと影響が大きい事は確かですが、同じ量のセシウムを摂取しても、子供の方が受ける放射線量は少なくなります。生物学的半減期が50日の場合、100日を比較して、毎日摂取し続けた場合の蓄積量は1/2、一度だけ摂取したものが1年後に残っている量は1/10、2年後に残っている量は1/100になります。
注2:完全に防御するわけではなく、かなり影響を小さくする能力を持っています。

注3:人間は、放射性物質に対する免疫は持っていませんが、がん細胞を抑える免疫を持っていますので、免疫力を高める事は、放射性物質の影響を小さくする事につながります。
(注釈 外山)

 


名古屋生活クラブ

  〒452-0802 名古屋市西区比良2-120 フリーダイアル:0120-72-0251
TEL:052-501-0251 FAX:052-503-0967 e-mail: nsc@athena.ocn.ne.jp >>会社概要はコチラ